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hollyの音楽室

Janis Joplin「Kozmic Blues」1969

ただ少し平和が欲しいだけなの by Janis Joplin

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ビッグ・ブラザー・アンド・ザ・ホールディング・カンパニーを脱退したジャニスが1968年12月に結成したコズミック・ブルース・バンドは結成後わずか3週間でデビュー。1969年にはアルバム『I Got Dem Ol' Kozmic Blues Again Mama!』をリリース、TVに出演し、怒濤のようなツアーをこなし、ウッドストックへの出演とこの年、ジャニスは飛躍的な成功を収めるのです。

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ホーンを参加させ、R&B的サウンドを目指したこのバンドのいままでとの一番の違いはメンバーのほとんどが金で雇ったスタジオ・ミュージシャンだったこと。ステージを降りれば、ハイ、サヨナラで彼らの生活はバラバラだったのです。さらにビッグ・ブラザー・アンド・ザ・ホールディング・カンパニーからの脱退に対してメディアは "成功がジャニスをダメにした"、"いまのジャニスはただのショービジネスだ"、"金銭欲と社会的評価、ジャニスはそのエサに食らいついたのだ" と叩きまくります。

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脱退すればバッシングされることは、ジャニス本人が一番分かっていたことでもあり、それを覚悟の上で踏み切った決断だったのでしょうが、このプレッシャーと寂しさがジャニスがヘロインにのめり込んでいったきっかけともなったのです。この頃、ジャニスは "なぜドラッグをやるの" という友だちの質問に"ただ少し平和が欲しいだけなの" と答えています。

そしてウッドストック出演の直前にジャニスはビッグ・ブラザー・アンド・ザ・ホールディング・カンパニーを共に脱退した相棒、サム・アンドリューをバンドから解雇。ヘロインの使用量はどんどん増えていき、69年12月19日、マディソン・スクエア・ガーデンのコンサートを最後にコズミック・ブルース・バンドを解散。死への最後の1年間を歩き出すのです。

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今日は『I Got Dem Ol' Kozmic Blues Again Mama!』(69年)から「Kozmic Blues」を紹介します。サビでの(あてのない)希望をシャウトする切実な歌声は必聴。そしてラストのフレーズを聴くと毎回泣きそうになります。




holly の勝手に訳詞「コズミック・ブルース」

時は流れ続ける 友は去っていく
私は生き続ける 理由もわからないまま
必死で夢をみて がんばってみても
また孤独な日々が続く ああ

こんな日々が続くなんて言わないで
時は流れ続ける
25才になったけど どうにもならない
ちっとも良くならないし もうあなたのそばにもいれない
子どもの頃と何にも変わらないまま

でも何も変わらないわけじゃない
私はこれからもトライし続ける
何も変わらないはずがない
必ずつかみ取る
必要なんだから
そして死ぬまで心の火を燃やしていくの

答えを期待してはダメ
年をとったからといってどうにかなるものじゃない
真実の愛になるわけでもないなら
もうあなたを愛さない
だから今やるしかないのよ

でも何も変わらないわけじゃない
私はこれからもトライし続ける
私たちみんなの心に火が燃えているなら
いま必要なの
必ずつかみ取る
そして死ぬまで心の火を燃やしていくの

何も変わらないわけじゃない
これからでも遅くない
私は愛について歌っていく
この歌を心に抱いて
いま必要なのは
死ぬまで歌っていくこと

何も変わらないわけじゃない
私はそんな人間には絶対なりたくない
あなたはあなたの人生を生きて
あなたはあなたの人生を愛して
いつか泣きたくなるかもしれないけど
それでいいの それでいいのよ
それでいいのよ それでいい

あなたは私をいつも傷つける
あなたは私を落ち込ませる
いつでもどこでも毎日毎日
あなたは変化についていけないかもしれない
あなたがいなくなればこの苦しみは消えるでしょう
でもあなたにはもうわかっているはず
私が手を差し出す時には
あなたにその手を握ってほしい...





 

テーマ:ロック - ジャンル:音楽

  1. 2011/09/19(月) 18:13:39|
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  1. 2011/10/02(日) 12:20:34 |
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Re: ブログ

adansonian さん、こんにちは
今回の映像は1970年のカナダ、トロントでのライブからのものです。
ザ・バンド、グレイトフル・デッド、バディ・ガイと共にカナダ・
ツアーを行った際の映像で、演奏日は1970年6月28日。
彼女がヘロインの過剰摂取で亡くなる3ヶ月前の演奏です。
スタジオ盤からけっこう歌詞を変えている部分もあるのですが、
今回はスタジオ盤の歌詞で訳してみました。

死が近づいている時期ではありますが、この時期はジャニスに
とって新しくやり直そうとしている時期ということもあり、
ラストのサビのリフレインも希望に満ちあふれて聴こえます。
しかし、それは絶望から抜け出したいという希望だったのですが・・・

ではまたのお越しをお待ちしております。
  1. 2011/10/02(日) 15:07:50 |
  2. URL |
  3. holly #6x2ZnSGE
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